お知らせ
2024/06/04
☆制震設計事務所のつぶやき – 余震に強い家でなければ命は守れない
3月11日、東日本大震災。
震度7の本震に遭遇しても、その時点ではこれらの建物は倒壊していませんでした。
大震災から、1年後の3月11日までの有感地震回数は10,911回と気象庁が統計を取り始めた
昭和26年以降、最多だといわれています。
年間平均地震回数1,300回に対し、8.39倍もの地震が日本列島を揺らしたため、たった1年で
8年分を超える揺れを建物が経験したことになります。
その余震によって、上記の建物は倒壊したのです。
ここで注目しなければならないことは、3月11日以降、宮城県、福島県内でM5以上の余震が、
一ヶ月の間に400回を超えた事実です。
そして、本震から約一ヶ月後の 4月 7日の深夜、宮城県で震度6強の余震が発生し、多くの家
屋が倒壊しました。
福島県は、その 4日後の 4月11日に震度6に襲われ、大きな被害となったのです。
大地震の後は、その地域で中規模の余震が短期間に数百回も発生するため、どんなに剛性が強
い建物でも接合部が緩んで共振点が下がり、卓越周期1秒から2秒の大きな余震により建物が
共振して倒壊しやすくなるのです。
通常、建物が100mm 傾くと倒壊の危険があると言われています。
そのため現在の耐震住宅は、震度6強を超える強い地震を想定した場合、建物の変形を25mm
~ 30mm以内に収めるための目安を提示しています。
この基準に沿って多くの耐震実験が行われています。
ところが、30mm以内の変形に収めるのはなかなか難しいのが現実です。
更に、2度、3目の大地震を想定して実験を継続すると、30mmの傾きは80mm~130mmに
拡大します。
その変形を食い止めようとして、建物の壁倍率を大きくすればするほど引き抜き力も増大し、
度重なる余震では、建物の変形を食い止めることに限界が見えてきています。
揺れに耐える性能はもちろん大切ですが、想定外の揺れに襲われたとき、建物はその構造躯体
が変形することによって地震のエネルギーを吸収しようとします。
しかし、現在の耐震住宅は変形すれば耐力が落ち、引き抜きにより倒壊する危険性もあります。
本来、大地震から住まいを守るには、「構造躯体を粘り強くする」ことが何より大切なのです。
「地震大国」日本は今、地震活動期に入っていると言われており、いつどこで地震が起きても
不思議ではありません。
私たちはあの大震災を自分のこととして受け止め、教訓を得て行動していかなければならない
のです。
地域密着で活動する設計事務所だから、出来ることはたくさんあります。
地震から命を守るため、住宅の地震対策を一層推進することが我われに求められています。
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