お知らせ

2024/06/04

☆制震設計事務所のつぶやき – 首都直下地震の恐怖

首都直下地震対策の見直しが内閣府から発表されたが、それに異を唱える人物の話し

がショッキングな内容なのでブログに掲載した。

「産経新聞(25.12.20)より1部転載」

新想定で浮かび上がったのは、首都を襲う大規模な火災だ。

首都直下地震対策の見直しを進めていた内閣府の有識者会議は平成25年12月19日、差し迫って

いるのはマグニチュード(M)7級の大地震で、このタイプが都心南部で起きると神奈川を含む

1都3県を中心に61万棟が全壊・焼失し、2万3千人が死亡するとの新たな被害想定と対策を公表

した。

M7級の死者数は従来の想定(1万1千人)の2倍以上となった。

震源に近い東京都江戸川区や江東区で震度7が見込まれたほか、広範囲が震度6弱以上になる。

被害が最悪となる冬夕方(風速8メートル)のケースでは、61万棟に上る全壊・焼失のうち、

火災による焼失が41万2千棟と3分の2を占めた。延焼は2日間に及ぶという。

2万3千人が想定された死者についても、1万6千人は火災が原因だ。

都心を囲む木造住宅の密集地で同時多発的に出火が起き、広範囲で延焼する。

耐震化の効果で焼失建物は前回想定より4割減ったが、四方を火に囲まれて逃げ場を失う「逃

げ惑い」を厳しく算出した。

死者10万5千人のうち、火災による犠牲者が9割を占めた関東大震災でも起きた惨状だ。

都心は震度6強の揺れに見舞われ、道路の交通網はまひ状態に。物資輸送や救助活動に著しい

支障が生じる。

地下鉄やJR在来線の運行停止で800万人の帰宅困難者が発生。

東京湾岸に立地する火力発電所の被災で23区内は5割が停電し計画停電が行われる。

倒壊家屋などのがれきを処理する用地も不足し、復旧活動は長期化する。

液状化現象による被害も深刻で、沿岸部を中心に2万2000棟が全壊するとみられる。

それに、真っ向から異を唱える人物がいる。

政府の想定は”火災旋風“の発生を過小に見込んでいると警告を発するのは、濱嶌良吉(はましま

よしきち)・元埼玉大学、前橋工科大学教授。

この火災旋風に加え、濱嶌氏が指摘するのがガス田の存在だ。

– 濱嶌氏の言葉 –

「東京東部・千葉北部・神奈川北東部に広がる『南関東ガス田』は、国内のガス埋蔵量の9割を

占める日本最大のガス田です。主成分はメタンガスで火気に触れると爆発する可能性あります。

この豊富なガスが地震を機に地下から噴出すれば、火災旋風と合わせ凄まじい被害を及ぼしま

す。とても2万3千人(前回1万1千人)の死者ではすまない。100万人という数字さえ覚悟する必

要があるでしょう。」と彼は言う。



さあ、あなたは、どちらを支持するのか?

いずれにしても、建物や家具の下敷きにならない。

そして、いつでも次に動ける体制にしておくことが必要だ。

2024/06/04

☆制震設計事務所のつぶやき – 耐震診断と耐震改修工事の盲点

わが国は頻繁に地震の起こる地震大国です。

震災は災害の中でも予測がつきにくく、ひとたび大地震が起こるとその被害は甚大です。

地震時のかかる水平力に、接合部が耐える性能がなければ、幾ら耐力壁をバランス良く、

十分に設けても意味は有りません。

そして、それぞれの負担する応力に見合う接合部の強度が必要です。



特に重要な接合部は、耐力壁自体の取り付け金物(筋違い金物)と、耐力壁を受け

る柱の柱頭・柱脚金物が重要です。

耐力壁の壁倍率が大きいほど、より水平力に抵抗するために柱に大きな引抜き力が

発生します。

その引抜き力を押さえ込むために、ホールダウン金物等の高耐力の金物が必要とな

ります。



耐力壁の柱には地震や台風などの水平力が生じた場合、筋違いが抵抗し、上方向へ

柱を突き上げようとする力が発生します。

それが、柱の引抜き力です。

壁耐力が大きい所に、大きな引抜き力が発生します。

例えば、建物の隅とか、ダブルで筋違いを入れたところです。



阪神淡路震災の時に、倒壊原因となった主原因に耐力壁が期待された耐力を発揮す

る前に、壊れてしまった事が解りました。

特に筋交いは地震の時に柱を引き抜く力が発生し、筋交いが折れたり千切れたり

するのでは無く、『柱がぬけて耐力壁が壊れ、家屋が倒壊』となったのです。



新築の住宅ならホールダウン金物等でしっかり接合していますが、問題なのは古い

家屋の耐震改修工事です。

ホールダウン金物等でしっかり接合出来れば良いのですが、特に昭和56年以前の

建物は無筋の基礎が多く、劣化している基礎も数多くあります。

そのため、コストや工事進行のこともあり、なかなか手が出せないのが現実です。



しかも、日本建築防災協会が定める耐震診断の構造評点は、ざっくりいうと基礎から

上の構造躯体を固めなさいと言っているのです。

そして、それをもとに耐震改修工事をします。



勘の良い皆様ならば、大地震の時それがどういうことになるのか…もうおわかりのはず。

2024/06/04

☆制震設計事務所のつぶやき – 構造の安定に関すること

2007年10月 1日付の国交省のホームページに、「構造の安定に関すること」という解説が掲載

されていました。

資料の内容からいうと、品確法、施行令、施行規則、関係告示の下に続く「解説」に値するもの

でした。



【説明3】

「きわめて稀に(数百年に一度程度)発生する地震力とは、例えば東京を想定した場合、震度6強から7程度、中低層の建物に作用する地震動の加速度で 400gal程度に相当する」

「これは、関東大震災において東京で発生したと推定される地震の揺れや、阪神淡路大震災において神戸で観測された地震の揺れに相当する」

「阪神淡路大震災では、800gal程度の大きな地表の加速度が観測されたが、構造物にゆとりがあったので大きな被害を受けなかったものと報告されている」



この解説文を整理すると次のようになります。

①耐震等級1の住宅─建築基準法に定める対策がなされている住宅は400gal程度、震度6強から7程度、関東大震災や阪神淡路大震災程度まで耐えられる。

②耐震等級2の住宅─建築基準法の1.25倍の対策がなされている住宅で500gal程度の震度7まで耐えられる。

③耐震等級3の住宅─建築基準法の1.5倍の対策がなされている住宅で600gal程度の震度7まで耐えられる。

④阪神淡路大震災では800gal程度の揺れ─構造物(住宅など)にゆとりがあったので大きな被害を受けなかった。



読んでいても、なかなか解読が難しいが…。



そもそも、ガルとは地震動の加速度のことですから、

400galとは1秒間に4m加速すること。

500galとは1秒間に5m加速すること。

600galとは1秒間に6m加速すること

800galとは1秒間に8m加速することを表しています。



時速に換算すると、

400galが14.4km。

500galが18km。

600galが21.6kmとなります。

そして800galが28.8kmです。



東日本大震災では、宮城県栗原市で2,933galの震度7が記録されました。

それを時速に換算すると、なんと106kmです。

構造物(住宅など)が吹き飛ばされるほどの大地震による加速度です。

しかし、その地震動により全壊した家屋はわずか3棟しかありませんでした。

もちろん、その後の余震によって多くの家屋が倒壊しましたが…。



なぜ、そのような現象が起こるのでしょうか?

2,933galの一回の揺れの時間は0.1~0.2秒だったため建物が共振しなかったことが

考えられます。

しかも、galとは1秒に換算した時の数字の単位ですから、一回の揺れが0.1秒~0.2秒

では、建物の変形が小さく損傷が最小限だったと推測できます。

それらから、地震動の加速度に限らず、地震動による建物の一回の揺れの継続時間が、

倒壊の原因と密接な関係があるということがわかります。



現在は、国交省のホームページ上から加速度表示の内容が削除されています。

2024/06/04

☆制震設計事務所のつぶやき – ②地震に強い家とは

一般的な住宅は、建築基準法をクリアするだけの耐震等級1であることが多く、構造

計算ではなく、壁量計算という簡易な計算だけを行っていることが多いです。

平成12年に制定された品確法では、建築主の人が耐震性を判断する目安となるよう

に3段階の耐震等級が表示されました。

耐震等級1が建築基準法と同じです。

そして、等級2、等級3となるほど建物の耐震性は高くなります。

許容応力度構造計算で構造設計されている最高ランクは耐震等級3で、耐震等級1が

耐えられる地震力の1.5倍の地震力に対抗出来るといわれています。



しかし、日経アーキテクチュアが様々な建設会社が施工した耐震等級3の震度6強の

実物大実験を過去4年間追いかけたところ、一回目の震度6強で最大115mmの変形が

発生した等級3もあり、平均68mm耐震等級3の変形が確認されました。

2回目の震度6強ではその変形の1.5倍~2倍の変形が発生し、それを大地震後の余震と

考えると、余震後もその建物で生活することは困難といえます。



それは、もともと建築法の耐震基準は「1度目の揺れで建物が倒壊しない」基準であり、

大きな地震が生じた場合、居住者が「避難する」事を前提としていて、地震後にその

住宅に安全に住めることを保証した基準ではないからなのです。



それらから、本当に地震に強い家とは、「繰り返す揺れに耐えられる家」であり、

必ずしも「耐震等級や構造評点」が高い家とは限らないということがわかります。

言い換えれば、真に地震に強い家とは、被災時に「被災時の修復費用が少なく、

再生活がスムーズにスタートできる家」ではないでしょうか。

2024/06/04

☆制震設計事務所のつぶやき – ①地震に強い家とは

重い瓦屋根と比べて、軽い鋼板屋根は耐震対策で有利です。

家は軽いほど、構造躯体が受ける地震力は小さくなります。



そもそも、地震とはエネルギーです。

エネルギーは、力   × 距離  で表すことが出来ます。

そして、力とは建物が受ける地震力のことであり、

その力を分解すると、質量  ×  加速度  になります。

質量とは、建物の総重量であり、加速度は、地震による揺れの加速度。

すなわち、応答加速度です。

建物の総重量  ×  応答加速度

建物の総重量が軽ければ受ける地震力が小さくなり、

重ければ受ける地震力が大きくなります。

それらから、近年では総重量の軽い住宅が多く建てられています。



一般的に地震の揺れを軽減するためには、屋根の重量を軽くし建物の重心を低くすることが

有効とされています。

だから昔の建物は、平屋が多かったのです。

しかし、現在と違って重い瓦屋根が主流でした。

そのため、構造をより頑丈にしなければならず、その分コストもかかりました。

大きな地震に遭遇すると、瓦が落ちて修復費用もかかりました。

近年のビス止め施工を行っている住宅ならば、昔の建物のように瓦が地震で落ちてしまう

という被害は少ないそうです。



本当にそうでしょうか?



ある面当っていますが、ビス止め施工は軽い屋根でなければなりません。

重い屋根だと構造躯体に重大な損傷を与えかねません。

そのため、昔の建物は瓦を地震で落としたのです。



いわば、『トカゲのシッポ切り』です。

瓦というシッポを切り捨て、大事な本体(構造躯体)を守ったのです。



地震による揺れから身を守るために一瞬で瓦を落とし、建物の総重量(質量)を

小さくしたのです。



先人の知恵とはすごいものですね。

2024/04/19

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